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思ったほど売れない「ドコモ版iPhone」 MNPによる顧客流出は止まるのか

ソフトバンク、au、そしてドコモからiPhone 5S/5Cが発売されてから10日あまり。もう一部の店では予約なし、あるいは予約をしても数日待てば購入できる状況になっているようだ。キャリア3社が揃って挑むiPhone販売競争となっているが「ドコモはiPhone大戦争のスタートダッシュに失敗した」との見方も出ている。

BCNが行っている家電量販店の実売データを集計した調査によると、発売3日間でのiPhone 5sとiPhone 5cを合わせたキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンクモバイルが44.7%、ドコモが27.8%、auが27.5%となっている。一部の量販店では発売日当日にソフトバンクがiPhone5Sの全色を揃えていたのに対し、ドコモだけグレーのみだったりと入荷段階で不利な点もあり、想像以上にドコモが苦戦する状況となっている。この結果について「なにを強みとし、何を魅力としてドコモに引きつけるのかが今ひとつ見えてこない」と語るのはマーケティング会社を経営する大西宏氏だ。

大西氏は自身のブログで、ドコモがiPhoneの扱いに慣れておらず店頭で混乱があることや、spモードメールが10月1日まで使えないことなどを指摘。「10月以降もドコモの巻き返しが不発に終わったらドコモの戦略そのものに問題があることが証明されるに等しいのだが、そういった緊張感があまり感じられない」と語る。筆者もiPhone 5S/5Cの発売後に量販店をいくつか見て回ったが、ソフトバンク、auに比べるとドコモのiPhoneコーナーだけ小さいケースがほとんどだった。周囲から“悲願の「ドコモ版iPhone」”と期待された割りには、そこまで大々的に売っていこうという意識はないのかもしれない。

ただし、ドコモも価格面などでは引けをとっておらず、テザリングのオプションがずっと無料だったり、他の2キャリアよりも優位な点はある。長年続くMNPによるユーザー流出に歯止めがかかることは間違いなさそうだが、その効果がすぐに発揮されると考えるのは早計かもしれない。というのも、都心部においてはドコモだけLTEの通信速度が遅いことが明らかになった他、料金プランについても、auの固定通信サービスと連動した割引プラン「スマートバリュー」(当初2年間は月額5800円)などと比較すると、やや見劣りする感は否めない。

しかし、そんなドコモにも武器はある。定額動画配信サービスの「dビデオ」や「dアニメストア」など、ここ1~2年で進めてきたドコモ独自のスマホ向けサービスだ。こちらは10月10日からiPhone向けにもサービスを提供していくとのこと。dビデオの加入者は既に400万ユーザーを超えるというから、今後のプロモーション次第では強力な武器になるかもしれない。

毎月10万人規模でユーザーが流出していた状況からはひとまず脱却できそうなドコモだが、他社からさらにユーザーを呼びこむには今ひとつ材料不足の感は否めない。ドコモが今後どういう戦略を取るのかに注目していきたい。(岡嶋佑介)

画像引用元:BCNランキング

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岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

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