アンドロイド関連ニュース

“スマホ世代の闇”が生んだ犯罪!!? マスコミの「広島LINE殺人事件」報道に違和感の声

登録ユーザー数が世界2億人を突破し、利用者がさらに急増している「LINE」の周辺が騒がしくなっている。運営元は7月23日、これまでKDDIで行なっていた18歳未満のID検索の制限を、9月をめどに全キャリアに対応すると発表した。

本来は電話帳に登録した友人や家族とのコミュニケーションをとるためのツールがLINEだが、掲示板アプリなどでIDを教え合い、ID検索で相手を探せば見知らぬ者同士でもつながることができる。これが悪用され未成年が事件に巻き込まれるケースが多発しており、その改善策として打ち出されたようだ。

未成年の利用制限は仕方ないところだが、発表が突然すぎた感は否めない。この背景には、LINEのグループチャット上での会話が殺人にまで発展したとされる「広島同級生殺人事件」の影響によって、LINEに世間の批判が集中したことも関係しているようだ。

今月13日に発覚した同事件は、主犯である16歳の無職少女が仲間たちと共謀し、元同級生の少女をリンチの末に殺害。犯行の動機を「LINEに悪口を書き込まれたから」と語ったことが世間に衝撃を与えた。「アプリで悪口を書かれたくらいで人を殺す」という“スマホ世代の恐ろしさ”がマスコミで喧伝され、一部メディアでは「LINE殺人事件」とも呼ばれている。

しかし、この残酷な事件は本当に「スマホ世代」ならではの現代的な犯罪なのだろうか。

一部報道によると、主犯の少女は仲間6、7人を集めて「接客業」をしていた時期があり、知人に「最初の1ヶ月で100万円くらい稼いだ」と話していた。殺害された少女もこの接客業に従事していたが、利益分配などをめぐってトラブルがあったようだ。あるメディアは、この接客業が「闇デリヘル」だったとし、主犯の少女が元締めだったと指摘している。

また、共犯として逮捕された少年の一人は主犯の少女と交際中だったが、被害者の少女と三角関係になっていたとも伝えられている。この一連の情報が事実なら「LINEで悪口を言われた」のは単なるきっかけでしかなく、実際は「カネ」と「色恋沙汰」という、ありふれた動機である可能性が浮かんでくる。情報ツールとしてLINEが絡んでいるのは事実だが、事件の背景自体はかなり古典的なものと思える。LINEの存在をクローズアップしすぎれば、事件の本質を見誤ることになるだろう。

この違和感はネットユーザーの多くが感じているようで、Twitter上では、

「16歳『LINEで悪口を書かれた』→殺人 マスコミ『若者に広がるLINEの闇!』 63歳『悪口を言われ集落から孤立した』→殺人 なにがLINEの闇だよガキもジジイも同じじゃねーかよ」

というツイートが爆発的に拡散されている。広島の事件に続き、山口県周南市で5人の遺体が発見され、重要参考人の63歳の男の行方が分からなくなっている事件が注目されているが、この事件と広島の事件の背景は変わらないと指摘する声だ。63歳の男が事件に関与しているかは現時点では未確定だが、事件の2年前に「悪口を言われて集落で孤立している」と警察に相談するなど、集団内のコミュニケーション上のトラブルが事件の背景にあったといわれている。一見、全く共通点のない事件に思えるが、その根本は大差ないのかもしれない。

だとすれば、LINEやスマホ世代の不気味さを強調するマスコミの報道はミスリードといえそうだが、その圧力に押されてLINEは機能制限に至ったのだろうか。

「広島の事件の報道は、確かにLINEをクローズアップし過ぎている。しかし、LINEのID検索を利用した出会いや援助交際が行われていたのは事実。運営元は以前からID検索の制限の動きを強めていたが、今回の事件をきっかけに全キャリアでの対応に踏み切ったとみられている。ただし、今回の制限以降も掲示板アプリなどで未成年の情報が検索できる状況は変わらず、どこまで効果があるかは疑問視されている」(週刊誌記者)

ネットやスマホを無暗に槍玉に挙げるマスコミの姿勢は問題だが、LINEが絡む事件はこれからも起こり得る。今回の「ID検索」の利用制限がどこまで効果を発揮するのかを含め、今後の動向に注目していきたい。(佐藤勇馬)

Ashley Madison - Have an affair. Married Dating, Affairs, Married Women, Extramarital Affair

››佐藤 勇馬の記事一覧

佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

おすすめサイト