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「震災は天罰」と公言した石原慎太郎が圧勝した理由

 

10日に投開票された東京都知事選では、現職の石原慎太郎氏(78)が約261万票を獲得し、約43%の得票率で4選を果たした。「震災は天罰」発言などで逆風も吹いた石原氏だが、終わってみれば2位の前宮崎県知事・東国原英夫氏(53)の約169万票、3位の居酒屋チェーン前会長・渡辺美樹氏(51)の約101万票に大差をつける圧勝だった。

 

この結果に「アンチ石原」が多いネットでは落胆の声が漏れた。

 

最も多くツイートされていた意見は、「俺のタイムラインで石原に票を入れた人なんていないのに、誰が入れてるんだ!?」というものだった。

 

 

やっぱり都民はドMだった/駕籠真太郎・画

 

ミュージシャンの西川貴教(40)も、ツイッターで下記のように発言。

 

「やはり若者の投票率の低下が、こういった結果を招いてしまうのでしょうか… 正直僕のTL上を見ていると、到底石原氏が再選されるとは思えないのですが… 何か… 言葉が出てきません…」

 

TOKYO MXの年代別獲得票調査によると、20代と30代では東国原氏がトップ、40代でも石原氏と東国原氏は差が無い状態だが、50代以上になると石原氏に票を入れたという人の割合が圧倒的に多くなる。若者層の投票率は低く、2007年の都知事選の全体の投票率は54.3%だったが、20代は33.4%だった。この若者層の投票率の低さが、Twitter世論と投票結果の大きなギャップとして表れたといえる。自民・公明両党の支援を受けた石原氏が「組織票」によって手堅く票を集めたことも、浮動票頼みの新人を引き離す圧勝劇につながった。

 

ユーザー数が激増したTwitterだが、有権者全体から見れば利用者は一部でしかないという現実を叩きつけられた形だ。だからといって、Twitterで政治を論じたり投票を呼び掛けたりといった行為はムダとは言えないが、この結果は現実として受け止めなければならないだろう。どうすればネットから政治を変えられるのか、もっと根本的に言えば、ネットで政治を変えることは可能なのか。今回の選挙で“敗北”したネットユーザーたちは、1000年に一度の大災害と先行きの見えない原発事故に日本が揺れている今だからこそ、新たな形を模索していかなければならないのかも知れない。

 

また、昨年12月に都青少年健全育成条例が改正され、アニメやマンガにおける「著しく性的感情を刺激するもの」「強姦や近親相姦を不当に賛美するもの」に該当する作品の18歳未満への販売と閲覧が規制されることになった。この改正案を推進していたのは石原氏であり、内容の見直しを示唆していた東国原氏や渡辺氏らは落選したため、今後も規制が強まる可能性がある。

 

 

『ラブひな』『魔法先生ネギま!』(ともに講談社)などで知られるマンガ家・赤松健氏(42)は

 

「出版社は(今後が長いので)自粛の方向へ進むでしょう。漫画家は、都条例の適用外であるネットへの模索が強まるかと」とツイートしている。

 

しかし、石原氏は『週刊ポスト』(小学館)2月25日号にて、過激な表現のマンガなどについて

 

「インターネットにもそういうものがあるというなら、それも何とかしなければいけないと思う。これは国家の問題だ」

 

と語っており、ネット上の創作物に対する規制にも乗り出す姿勢を見せている。

 

くしくも先日、ネット規制につながると危惧されている「コンピューター監視法案」が閣議決定された。これは捜査当局が令状なしでプロバイダに利用者の通信記録保全を要請できるようにするものであり、当局が必要だと判断すれば、我々が知らないうちにネット通信記録を当局に取得されてしまう可能性がある。ネットで政治を変えることができないまま権力の介入が進んでいけば、いずれネットは無力なメディアとして飼い慣らされてしまう恐れもある。この現状を変えていくには、ネットが政治に対しても影響力を持つことが急務だろう。「ネットが自由なメディアとして存在し続けること」と「ネットで政治を動かすこと」は、実は連動しているのかもしれない。

(文・佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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