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PC遠隔操作ウィルス事件 「警察の敗北宣言」で見えたIT捜査の稚拙さ

一連のPC遠隔操作ウイルス事件で逮捕・起訴された元IT関連会社員・片山祐輔被告(31)が6月10日、昨年8月に他人のPCを操作してAKB48への襲撃予告を書き込んだとして追送検された。これまで片山被告は威力業務妨害やハイジャック防止法違反など7件の事件で逮捕・起訴されていたが、この追送検で捜査は事実上の終結。事件の本丸である「ウイルス作成容疑」での立件は見送られることになった。

片山被告が関わったとされる事件は、当然ながら全て遠隔操作ウイルスが絡んでいる。にもかかわらず、肝心のウイルスの出どころが解明できなかったのは致命的だ。確かな物証を得られないまま捜査が終了したことは、警察の事実上の敗北宣言ともいえるが、これについて捜査関係者は「片山被告が取り調べを拒否し、供述を得られなかったため」と説明している。

だが、これは事実と異なる。片山被告は取り調べそのものは拒否しておらず、あくまで「録画・録音しなければ取り調べに応じない」と頑なに主張していただけだ。それを拒んで実質的に取り調べを拒否していたのは当局側である。

「証拠が完全にそろっていない状態で見込み逮捕し、取り調べで心理的プレッシャーを与えて自白を引き出すという昔からの手法から脱却できていない。取り調べ可視化は現在議論中の案件ではあるものの、実際にこういった自白ありきの案件で録画・録音されて困るのは捜査側。そんな強引な取り調べは現在も行われている。たび重なる再逮捕で4ヶ月も勾留し、彼の社会的地位を脅かすことでプレッシャーを与えたが、片山被告は最後まで折れなかった」(週刊誌記者)

この事件では、遠隔操作ウイルスに感染した男性4人が誤認逮捕され、うち2人が無実にもかかわらず犯行を認めて『自白』している。一部報道では、逮捕された男性の父親に検察が絶縁状を書かせ、それをネタに自白を迫ったと伝えられている。同じく誤認逮捕されたアニメ演出家の男性は「認めれば罪が軽くなる」と持ちかけられたと証言しており、違法な利益誘導による取り調べが行われていた可能性も指摘されている。結局、警察のIT捜査の稚拙さをカバーすることができず、強引に自白を迫るというアナログ手法から抜け出すことができなかったのだ。

事件は今後、法廷に場を移して争われることになるが、こちらも異例ずくめになっているという。

「先月、弁護側と検察による1回目の公判前整理手続きが東京地裁で行われましたが、検察側の書面には事件と片山被告のつながりが記載されていなかった。犯行をいつ、どこで、どのような手段で行ったのか、最も重要な部分の具体的記述が全くなかったのです。検察側が開示した証拠も、犯行予告メールなど被害状況を示すものばかりで物証と呼べるものは無し。裁判官が『異例もしくは異常』と検察に苦言を呈する前代未聞の事態になりました」(前同)

逮捕から4ヶ月も捜査を継続していながら、明らかな物証も犯行経緯も提示できていない検察側。誤認逮捕の連発という失態をカバーするために国家権力のメンツをかけて起訴に踏み切ったようだが、どうも雲行きは怪しいようだ。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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