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乙武氏“レストラン入店拒否”騒動  「同じ障害者として恥ずかしい」という意見も噴出

車椅子を理由にレストランで入店拒否をされたとして、作家の乙武洋匡さん(37)が自身のTwitterで店名を明かして経緯をツイートし、物議を醸している騒動。乙武さんが21日に公式サイトで「(店名公開は)冷静さを欠いた行為だった」と反省の言葉を記し、店側もサイト上で謝罪し、一応の決着が着いたかに思えた。

だが、乙武さんは謝罪文の中で店主の「はなから相手を小馬鹿にしたような、見下したような態度」に激高したと綴り、店側の接客に問題があったことを改めて示唆。「僕はいきなり訪れた店で無理難題を吹っかけて、それが受け入れられなかったから逆ギレしたのではない」と断言している。また、店主から冷たく「これがうちのスタイルなんで」と言われたことにショックを受けたと記したが、店主側は「言っていない」と否定しており、乙武さんは「なぜそんなウソをつくのか」と批判。さらには「いまはただ腹立たしい」と怒りが収まっていないことを隠しておらず、和解ムードが全く感じられない文面になっている。

一方、ネット上では「店の事情を考えるべき」「予約時に車椅子と伝えておくのが常識」「店名晒してフォロワーに攻撃させようとするのは卑怯」という乙武さん批判派と、「障害者差別だ」「門前払いするのは客に失礼」「これは人権問題」などといった擁護派に分かれて議論が紛糾。「日本のバリアフリー意識は遅れている」「いや、海外も変わらない」などといったバリアフリー論争にも発展している。

外野も巻き込んだ大論争が巻き起こっている状況だが、乙武さんと同じ身体障害者の側からも意見が上がっており、当事者の声として注目を集めている。

聴覚障害を持つという大学生は「同じ障害者として、悔しいと思う気持ちはわかる。似たような体験を何度もしているから。確かに障害があると不利ではあるけど、不利を理由に優位に立つような姿勢はおかしい」とツイート。別の障害を持つネットユーザーは「乙武さんは障害に理解のない人をこれからも叩いていくのかな?今回の乙武さんの件は非常に肩身が狭い思いをさせられた。同じ障害者として恥ずかしい」と綴っている。

また、車椅子を使っているという女性からは「同じ障害者として恥ずかしい。こういう奴がいるから謙虚な障害者まで叩かれる」といった厳しい意見も上がった。ツイッターで60万人以上のフォロワーを持つ有名人である乙武さんの発言によって、障害者全体が批判に晒されることを不安視する声も多いようだ。

その一方、半身まひの障害があるというユーザーは「お店の人は普通に言ったつもりでも障害者にとってはちょっと冷たい言い方をされるだけで傷つきます。健常者がお店の言い方を聞いたら『なんだ普通の言い方じゃん』と思うかもしれませんが、障害者にとっては心に深く突き刺さります!」と記述。いつもは冷静な乙武さんらしからぬ取り乱し方をしたことに理解を示している。

さらにまた、別の障害者は「今回の件を『人権侵害』や『差別』につなげるのは反対」とし、あくまで双方のコミュニケーションのとり方の問題だと指摘。「お店が忙しい時に本来は業務外である『障害者を抱えて階段を登る』ってサービスをお願いするんですよ?事前に確認するのが礼儀」と騒動をまとめ、今回の件が人権問題として扱われてしまうと、逆差別によって健常者を怯えさせることになり、余計に「差別のない社会」が遠のくと危惧している。

そんな具合に、いまだに熱が冷めない大論争に発展した今回の騒動だが、障害を持つ人たちの貴重な意見が聞けたことは一つの実りといっていいのかもしれない。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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