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さっそく始まった「ネット選挙狂騒曲」 “特需“をねらうITコンサル企業が続出

今夏の参院選からインターネットを使った選挙運動が解禁される。一般有権者も含めて、ブログやTwitter、Facebookなどを使った特定候補の呼び掛けが可能になり、政党・候補者限定で電子メールを使った選挙活動も認められる。ネット選挙のスタートによって選挙運動の在り方は大きく変わることになりそうだ。

かねてから待望されていたネット選挙の解禁だが、ネットに疎い政治家や事務所スタッフからは戸惑いの声も上がっている。自民党参院議員・尾辻秀久氏(72)は先日、放置していた公式ホームページを約2年ぶりに更新。更新するまでは、アクセスしても「工事中」と表示されるだけという有様だった。新聞社のインタビューに対し、事務所スタッフは「ネット選挙といっても、本人もメールが少しできるくらいなので、何をしていいのか分からない」と正直な心境を吐露している。

Facebookを頻繁に更新している安倍晋三首相(58)をはじめ、すでにネットを積極的に活用している政治家も多いが、本人やスタッフの日ごろのネット活用度によって選挙運動に格差が出てくることも予想される。また、ネット選挙解禁後はバナー広告での広報活動も認められるが、支出額に上限が設定されていないため大政党は資金が続く限り広告を出せる。一方で、政党に属していない無所属候補の場合、バナー広告の出稿が一切認められていないため、一部の識者からは「大政党有利の不平等なルールではないか」と批判が起きている。

さらに、SNSなどでの「なりすまし」の影響も懸念されている。今月20日、民主党の細野豪志幹事長(41)がTwitterで、昨年11月に亡くなった政治評論家・三宅久之氏のなりすましアカウントに騙されるという珍事が発生した。なりすましアカウントに「三宅先生からコメント頂けるとは光栄です」などと返事をしていた細野氏は、一般ユーザーから「三宅先生はもう亡くなっていますよ」と指摘され、相手が偽物であると気づいた。該当のツイートは削除したが、ネットユーザーから「そんな調子でネット選挙は大丈夫?」などと心配される事態となった。細野氏は以前にも、経営コンサルタント・大前研一氏(70)の名言を自動で投稿するbotアカウントに「大前先生、大変、ご無沙汰しております」とコメントしたことがあり、民主の次期エース候補もネットリテラシーの面ではずいぶん頼りなく思える。

2012年にネット選挙を全面解禁した韓国では若者の投票率が10%以上も上昇するという効果が生まれたが、その一方で深刻な問題も発生した。同年の選挙で中央選挙管理委員会のサイトがDoS攻撃を受けてサーバーダウンする事件が発生。前年にもDoS攻撃でサーバーがダウンする事件があったが、これは与党の国会議員秘書が投票率の引き下げを目的に外部業者に依頼したことが判明している。

ネット選挙への対応に議員たちが追われる中、一部のIT業者は「ネット選挙バブル」に沸いている。「誹謗中傷対策」を提供するとして政治家事務所に売りこんでいる某企業は、Googleで議員の名前などを週1回ペースで検索し、悪質な書き込みがないかをチェックするサービスを月額3万円で行う予定。誰でも出来そうな仕事だが、すでに数件の依頼が入っているという。別の企業はネット選挙の戦略全般を指南するとして、コンサル料として数百万円を提示。その内訳は「Facebookの準備30万円」「支援者データベースの作成50万円」「月の維持費50万円」などとなっており、議員たちのIT音痴をいいことに稼ぎまくる気のようだ。

政治家にとっても有権者にとっても、今夏の参院選が初めての経験になるネット選挙。解禁が吉と出るか凶と出るか、その意味でも興味深い選挙になるだろう。(佐藤勇馬)

画像引用元:
自民党公式サイ http://www.jimin.jp/

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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