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ユニクロ、ワタミ社長の「我々はブラック企業ではない」発言 ネットからは批判集中

ここ数年で急速に浸透したのが「ブラック企業」というキーワード。「従業員に劣悪な環境で労働を強いる会社」といった意味合いで使われ、サービス残業やパワハラなどが常態化した企業を指す言葉になっている。昨年夏には、労働問題に詳しい弁護士や労組関係者ら組織した実行委員会が「ブラック企業大賞」を発表。原発復旧作業などで劣悪な労働環境を強いた東京電力が大賞に選ばれ、大手飲食チェーンのワタミ、ゼンショー、気象情報会社のウェザーニューズなどが部門賞に選出された。

そんな中、新たに「ブラック企業まがい」として批判が集中しているのが、カジュアル衣料販売の「ユニクロ」を傘下に持つファーストリテイリングだ。先月発売された「週刊東洋経済」3月9日号(東洋経済新報社)は『ユニクロ 疲弊する職場』と題した批判記事を掲載。「ブラック企業」という表現こそなかったが、同記事は元社員の証言などを基に「新卒社員が3年以内に離職する割合が5割超」「サービス残業が常態化」「うつ病の罹患率も高い」などと指摘。ユニクロは入社半年~1年で店長になるケースが多いが、店長は労働時間上限のない「管理監督者」として一律に扱われ、サービス残業うんぬん以前に残業代が一切支払われていないという。

この記事を目にしたネットユーザーからは大批判が巻き起こったが、同社の会長兼社長である柳井正氏がブラック企業批判に反論し、さらなる物議をかもしている。

柳井氏は「日経ビジネス」4月15日号(日経BP)の特集『それをやったら「ブラック企業」』のインタビューで「わが社が本当にブラック企業であれば社員の数はもっと減っている。ここまで会社は発展しない」「ブラック企業という言葉は旧来型の労働環境を守りたい人が作った言葉」などと発言。だが、一連の批判に対しては「店長として何をすべきかという『技術』ばかりを教育してきた。それが一番の問題であり、失敗でした」と認めて環境改善に取り組んでいると述べた。

その一方で「若いうちは甘やかされず、厳しく育てられたほうが幸せ」と持論を展開。さらに柳井氏は、グローバル企業として世界の有力企業との競争が激しいため「(社員には)本当の意味で経営者になってほしい。それができなければ、当然、単純労働と同じような賃金しか払えませんよ」と話し、社員の教育方針や賃金体系を変えるつもりはないと明かしている。

この柳井氏の発言に対し、ブロガーの山本一郎氏は自身のブログで「ユニクロって日本の店舗での売り上げが多いんですよね。H&MだZARAやGAPなど海外勢が相手だといっても、売っている店は日本の店で、お互い日本人が働いている状態じゃないですか。グローバル、関係ないですよね」と指摘。さらに「新卒3年で50%の離職率って… 使い捨てじゃないですか、これ。(中略)若いうちにバリバリ働けってのは分かるけど、こういう数字だと結構な人数、心身を壊して辞めざるを得なくなったりしているんじゃないでしょうか」と、痛烈に批判している。

「日経ビジネス」の記事には、以前からブラック企業批判の的になっているワタミの桑原豊社長も登場。「ブラック企業の定義が明確でない」ため見解を述べる立場にないと前置きした上で、「経営トップや幹部がスタッフとコミュニケーションを取るよう努めている」と明かした。その一環として、会長の渡邉美樹氏と桑原氏が6泊7日で遠隔地の店舗を巡る「ありがとうツアー」と実施していると説明。このツアーでは感謝の言葉を伝えるために各地でスタッフと交流会を開き、渡邉氏が直筆メッセージを書き込んだ「ありがとう名刺」や写真、サイン色紙を配布しているという。

だが、これを読んだネットユーザーからは「いらねーよ」「ありがた迷惑ツアーだろ」などと一笑に付されている。

ユニクロやワタミなどの低価格サービスを提供する企業が成長すれば、そのしわ寄せが社員の身に降りかかるのは当然という見方もある。サービス残業や長時間労働、パワハラなどはどの企業にも少なからず存在する問題だ。自民党が夏の参院選でブラック企業対策を公約として検討するなど、安倍政権は労働問題の改革に取り組む姿勢を見せているが、その一方で正社員の解雇規制を緩和しようとする議論も活発化している。人気取りのためではない、本当のブラック企業対策が実施されることを願いたい。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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