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“性器露出写真”で逮捕の写真家レスリー・キー 「関係者にハメられた」説が急浮上

東京・六本木のギャラリーで男性モデルの性器などが写った写真集を販売したとして、シンガポール国籍の世界的写真家レスリー・キー氏(41)が4日、わいせつ図画頒布の容疑で逮捕された。警視庁保安課によると、約50ページのほとんどに露骨に男性性器が写っており、わいせつ性が高いと判断したという。

世界を舞台に活躍するレスリー氏は、本人がゲイをカミングアウトしていることもあり、男性をモチーフにした過激な写真で知られている。また、浜崎あゆみ、倖田來未、松任谷由美、黒木メイサら日本の女性アーティストのCDジャケットや写真集を数多く手掛け、レディー・ガガやビヨンセら海外セレブも被写体になったほか、近年は宝塚歌劇団のポスターなどを担当していたことでも知られている。エロスを前面に押し出した作風は国内外で評価が高く、突然の逮捕に「表現弾圧だ」「逮捕は当然」などとネット上で論争が巻き起こっている。

なかでもアートやファッション関係者からは擁護の声が多く上がっている。テレビ番組「ファッション通信」(BSジャパン)のエグゼクティブプロデューサー・山室一幸氏は、ファッション系サイトで「大人の被写体たる男性のヌードを本人了解のもとに撮影し、それをアート作品として表現する意図において、モザイクがかかっているか否かという二元論は無意味ではないだろうか」と逮捕に疑問を呈し、「そんなことを問題にしていたら、テリー・リチャードソンもロバート・メイプルソープの作品も、単に『猥褻物』として扱われてしまう」と記している。

この発言で引き合いに出された米国の写真家ロバート・メイプルソープをめぐっては、写真集の日本語版を刊行した出版社社長が成田の税関で「わいせつ図画」と判断され、持ち込み禁止処分を受けたことがあった。これに不服を唱えた社長側は裁判に訴え、最高裁判決で「わいせつに当たらず」との判決が下っている。

「芸術かワイセツか」の判断は非常に曖昧であり、これまでも澁澤龍彦の「サド裁判」や大島渚監督の「愛のコリーダ裁判」など、その是非をめぐって論争が繰り返されてきた歴史がある。レスリー氏の写真に関しても、その芸術性は世界的に評価されており、昨年はAPA(日本広告写真家協会)アワードで経済産業大臣賞を受賞している。いわば国のお墨付きをもらった人物であり、それが今になって「芸術ではなくわいせつ」と判断されて逮捕という流れに首をひねる人々が続出するのも当然といえるだろう。

しかし、その一方で「逮捕は当然」という声もあり、レスリー氏とモデルの間にトラブルが頻発していることも指摘されている。

「彼は今までの作品で射精や放尿、女性のオールヌード、男性同士のアナルセックスやフェラチオまで無修正で掲載していました。芸術の範疇を超えているという見方をされても仕方なく、逮捕されるのは時間の問題だったともいえます。また、レスリー氏はモデルに無許可で無修正全裸写真を展示したり作品集に掲載して、複数のモデル男性から抗議されています。今回の逮捕は警察への通報がきっかけということですが、作品展の中だけで販売していたのに一般人から通報されるとは考えにくい。業界でもヤリ手でトラブルも多い彼に恨みを抱いている者は少なくなく、関係者の一部が通報した可能性が高い」(美術系雑誌編集者)

レスリー氏は問題の写真集を自費出版し、一般の目に触れない作品展の中だけで手渡し販売していた。警察は事態を把握しながらも目をつぶっていたという情報もある。しかし、昨年から複数の通報が寄せられたため、動かざるを得なくなったようである。表現弾圧の問題としてのみ語られがちなレスリー氏の今回の逮捕だが、本人のトラブルや業界内でのやっかみという要素もあり、複雑な展開となっているようだ。今回も裁判で「芸術かワイセツか」が争われるのかどうかも含めて、今後の成り行きに注目したい。(佐藤勇馬)

画像引用元:レスリー・キー公式サイト http://www.lesliekeesuper.com/

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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