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“体罰自殺”騒動の「桜宮高校」 生徒らがTwitterで告発する事件のウラ側

このところ連日の報道が加熱しているのが、大阪市立桜宮高校で発生した体罰が原因とされる自殺事件。バスケットボール部の男子部員が顧問から体罰を受けた翌日に自殺した問題はネット上でも波紋を広げている。今回の事件が特徴的なのは生徒のなかに複数のTwitterユーザーがおり、メディアのフィルターを通さない、ナマの声をネットで発信している点だ。

1月20日、桜宮高校の男子生徒と見られる人物が、居酒屋で飲酒している写真をTwitterに掲載していたことが発覚。炎上騒ぎになったが、この人物のツイート内容から彼と交際していると思われる女子生徒のアカウントも割り出された。その女子生徒はツイッター上で、

「おい、おまえええ加減にせぇよ おまえじゃはしもと、なんで○○(ツイートでは実名)らまで馬鹿にされな あかんな、部落民がいきんな 本間、殺意芽生えるわ」(原文ママ)と部落差別にとられかねない内容を記述。さらに21日には「とりあえず、今思うことわ これだけ。あいつ、今日 何しに学校きたん?教えて、本間。いまなら あいつのこと何にでも出来る 誰しもが思うやろな、殺すぞて、あほちゃん、本間、大の大人が」(前同)と投稿していた。

橋下徹大阪市長は21日に桜宮高校を訪れており、どちらも橋下氏にあてたツイートだったと見られている。この女子生徒は暴言だけでなく、「いまから呑み」「今のうちにタバコ全部吸いきらな」などと飲酒・喫煙をうかがわせるツイートもしており、祭り状態になったことでアカウントを削除した。

また、別の桜宮高校生徒を名乗るユーザーは「誰も逆らえなかったんです」と体罰による恐怖の日々を告白。

「竹刀持って叩かれる部員もいました」「見せしめもありました」と体罰の実態を記し、「橋本さんのおかげで平和になりましたよ。毎日暴力の日々でしたから、暴力よりも恐怖のほうが優ってましたけどね」と恐怖を振り返っている。

教育には体罰も必要という意見が一部であがっているが、この生徒は「TVで見ている人とかには伝わらないと思いますけど、毎日が辛かったです。精神論をいう問題ではない出来事が学校内で起こり、その学校側は黙認、大阪の教育委員会も黙認。どこにも頼ることもできない日々が続きました」と心情を吐露し、桜宮高校ではしつけや教育の範疇を超えた体罰が横行していたことをうかがわせている。

21日には、橋下市長が同校体育系2科の入試中止を決定したことを受けて桜宮高校の在校生8人が記者会見し、「私たちは(中止に)納得いかない」「学校を守りたい」などと訴えた。これに対してTwitterユーザーの生徒は「記者会見した生徒の子はいじめっ子なんですけどね。暗めや気の弱い子に対してひどいこと言っているのを見かける。その子が人の痛みとか語るのはどうかと思うんですけどね」と告発している。

教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏は、この会見について自身のブログで「誰が仕組んだのかしら?」と不信感を示したが、前述のTwitterユーザーの記述と合わせて考えると、会見は「学校が仕組んだもの」という推測も、説得力を持つように思えてくる。

今回の事件は学校という閉鎖された空間を舞台にしたものであり、体罰が教育の範疇に相当するものなのか、なかなか事件の真相は見えてこない。しかし、生徒らにツイッターの利用が広まっていたために、当事者の意見が直接ネットに掲載されることとなった点が興味深い。いじめや体罰に関しては、ここ数年様々な事件が発生したが、内部からの情報発信がここまで盛んになったケースは珍しいと言えるだろう。これまでは、恐怖で何も抵抗できずにいた子どもたちが、ネットで匿名の告発をすることで救われる可能性もありそうだ。

自殺した生徒がネットで悩みを打ち明けていたら、もしかしたら事態は変わっていたかもしれない。「学校裏サイト」や「ネットいじめ」などネガティブなイメージが形成されている未成年者とネットの関係だが、今回の騒動によって「救い」と「告発」の場としての新たな可能性が生まれたともいえるだろう。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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