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勝手に「ネット選挙解禁」を宣言する政治家が話題に

12月16日の衆院選、東京都知事選のダブル選挙を前にし、政治に対する国民の関心が高まっている。原発問題を巡るエネルギー政策や金融政策が争点とされ、国民にとって今回の選挙は重大な選択になるだろう。しかし、新党が乱立した上に政党の合併や吸収が相次ぎ、どの政党に誰が所属し、どのような政策を掲げているのか分かりにくいという不満も高まっている。

旧来の大メディアの影響力が低下する中で、有権者にとって今やネットは最大の情報源の一つだ。自民党の安倍晋三総裁が、野田佳彦首相との党首討論の場に「ニコニコ動画」を指定するなど、政治とネットの関係はさらに深まったと言えるだろう。

しかし、告示後はブログやサイト、ツイッターやフェイスブックなどで選挙運動に関する書き込みをすることは公職選挙法によって禁じられている。最も大事な時期に立候補者はネットでメッセージを発信できず、有権者も新鮮な情報が得られないという「誰得?」な状況が続いているのだ。

若手議員からは「ネット選挙活動を解禁すべき」という意見が上がっており、2010年にネット選挙を一部解禁する改正法案が審議入りになったが、当時の鳩山由紀夫首相の退陣表明でお流れに。その後は社会保障や震災復興などの重要法案が優先され、結局は廃案となった。

今回はまたもやネット選挙の解禁が見送られたまま選挙戦に突入することになったが、そもそも数十年前に作られた公職選挙法はネットの利用に関するの規定がなく、パソコンやスマホに表示される画面がビラやポスターなどと同じ「文書図画」に当たると判断されているグレーな状態だ。

そんな中、「ネット選挙解禁」を訴える政治家が登場し注目を集めている。昨年の統一地方選で福岡市議選に出馬した本山たかはる氏(30)は「公職選挙法はネット選挙を禁止していない。禁止する理由もない。役人の勝手な解釈にみんなが従っているだけ」として、選挙中もブログや動画を連日更新。結果、福岡県警に同法違反容疑で書類送検されたが、不起訴となった。

この不起訴を「事実上のネット選挙解禁」と受け取った本山氏は、Facebookに「ネット選挙推進ネット」というページを作るなどして周知活動に励んでいる。

ネット選挙の効果と重要性について、本山氏はこう語る。

「ネット選挙は候補者(政治家)の『有権者への姿勢』を問う意味で重要です。日頃の行動や主義主張を常に公開し、有権者との交流を密にすること、それが最も求められるのが選挙期間中であると考えます。ネット選挙が正式に解禁(総務省の見解変更、法改正、司法判断など)になった場合、若年層の投票率は上がり、旧態依然とした政治家が淘汰されると思います」

ネット選挙が解禁された場合、炎上やデマ、なりすましなどのリスクもあり、有権者のネットリテラシーも求められることになる。だが、それを差し引いても手軽に新鮮な情報が得られるメリットの方が大きいといえる。若者の投票率のアップといった効果も期待できるだろう。

現状ではネットでの選挙活動がグレーな状態であることを利用し、支持者に呼び掛けてネットへの書き込みを代行させる陣営や、「文書図画」に当たらない音声ファイルのみを選挙期間中にアップする候補者も出てきている。だが、これでは“抜け駆け”した候補者だけが有利になる不公平感が否めない。公平かつ有権者に便利な選挙にするためにも、一刻も早くネット選挙が解禁されることを祈りたい。(佐藤勇馬)

参考リンク:ネット選挙推進ネット http://www.facebook.com/Election.net

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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