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メディアの集団リンチを浴びる「iPS虚偽発表」森口氏 「批判されるべきはマスコミ」論が浮上

iPS細胞(人工多能性幹細胞)の「世界初の臨床応用をしたと」主張し、その後大半を虚偽だと認めた研究者・森口尚史氏(48)が連日メディアを騒がせている。15日にアメリカから帰国した森口氏は、東大付属病院の事情聴取に「当初実施したといった6例のうち5例はやっていない。これからやる予定を(実施例として)話してしまった」と釈明したが、「1例は実施した」と主張を曲げていない。

世紀の大嘘つきとして吊るし上げにされている森口氏だが、「NAVERまとめ」では「森口氏iPS報道で本当に批判されるべきはマスコミ?」と題したまとめが注目され、ここぞとばかりにバッシングに転じた大手メディアに対する不信感がネット上に広がっている。

この騒動の発端は、11日付の読売新聞が「iPS心筋移植 初の臨床応用」と一面で報じたことだった。発表に疑義が生じると、同紙は13日付の紙面で検証記事を掲載。記事では「それ(ウソ)を見抜けなかった取材の甘さを率直に反省し、記者の専門知識をさらに高める努力をしていきます」と記しているが、その後のメディアの森口氏に対する仕打ちは単なるリンチの域に達している。

会見で厳しい質問攻めにあった森口氏だが、それだけでは終わらなかった。「日本の恥」「会見でニヤニヤした笑みを浮かべていた」といった言葉が紙面に並び、朝日新聞に至っては森口氏が住んでいるアパートの家賃や間取りまで公表。テレビでは近所のコンビニの店員を取材し、森口氏がよく買っているという雑誌まで晒している。森口氏は虚偽の発表をしたかもしれないが、今のところ法を犯しているわけではなく、ましてや公人でもない。連日の異常な報道により、ネット上では森口氏への批判よりも、メディアに対する憤りの声が広がっている。

「まともに検証せずに記事を掲載したメディアが悪いのでは」
「恥をかかされた腹いせにリンチしているだけに見える」
「騙された上に、あんなオッサンの顔を毎日流してる日本のマスコミって何なんだ?」

先日、iPS細胞の研究で京都大の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したばかりだが、もはや“ニセモノ”である森口氏の方が報道時間が長くなってしまっている異様な事態だ。そもそも、この虚偽発表は、森口氏にネタを売り込まれた読売新聞が掲載前に十分な検証をしていれば、大した騒ぎにならなかったはずだ。大手マスコミの誤報が招いた騒動の余波に、なぜ読者や視聴者が付き合わされなければならないのか、という疑問はもっともだ。

一部では、森口氏が精神的にかなり追い込まれているのではという見方もある。虚偽発表といえば、“神の手”と呼ばれた考古学研究家A氏が2000年に遺跡発掘捏造を大手新聞に報じられ、メディアに追い詰められた末に精神疾患を発症。右手の人差し指と中指を自ら切断するという事態に発展したことがあった。このようなケースもあるだけに、今回の森口氏へのバッシングに危機感を覚える人も多いようだ。

このような真っ当なメディア批判が盛り上がることで、既存の大手メディアを超える、新しいメディアとしてのネットの価値は高まっていくのかもしれない。(佐藤勇馬)

参考リンク:森口氏iPS報道で本当に批判されるべきはマスコミ?NAVERまとめ http://matome.naver.jp/odai/2135034956998410701

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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