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スパイ疑惑の中国企業「ファーウェイ」 “5秒で起動するスマホ”をドコモから発売

NTTドコモが秋モデルとして投入する、中国企業・ファーウェイ製の新型スマートフォン「Ascend HW-01E」に期待が高まっている。「5秒で起動する」という素早い動作性能に加え、おサイフケータイ、ワンセグ、NOTTVなどのガラスマ機能に完全対応。1.5GHzのデュアルコアCPUを搭載し、メモリも1GBというハイスペックモデルながら、一括価格は1万円台半ばという低価格。10~11月には発売される予定という。

ファーウェイ(Huawei/華為)が日本国内で端末を発売するのは初めてではない。イーモバイルのスマホやポケットWi-Fi端末はファーウェイ製だし、ドコモの”キッズ携帯”にも、いくつか端末を出している。また、通信インフラ設備では世界最大手の一つなのがファーウェイだ。ソフトバンクはLTEの基地局設備などの納入を、ファーウェイと中興通信(ZTE)の2社にほぼ全て任せている。

世界一を狙う中国のIT企業……。そんなイメージのファーウェイだが、実はここ数年、世界中で警戒される存在になっている。2010年にはインド政府が、ファーウェイ製の機器には盗聴機能が備わったチップが組み込まれているとして締め出しを宣言。米国の大手通信キャリア・スプリントも通信設備の入札対象から、ファーウェイと中興通信(ZTE)の2社を「安全保障上の理由」で外している。

ファーウェイがここまで警戒されるのには理由がある。創業者でCEOの任正非氏が人民解放軍のエンジニア出身であることや、中国政府から資金援助を受けていること。さらに、かつてはイラクの旧フセイン政権や、アフガニスタンの旧タリバン政権に機器を供与していた、という説もある。要するに、ファーウェイは中国政府や共産党と密接につながる、スパイ活動のための手先なのではないかという疑惑が持ち上がっているのだ。

今年9月には、ファーウェイが改めて「スパイ活動は行っていない」と宣言するリポートをまとめている。たしかに、もしも端末や基地局の設備にスパイ活動を行うような機器を仕込んでいることが発覚すれば、世界中で総スカンを食らうことは間違いないし、ここまでの大企業がそのようなリスクを冒すとは思えない。だからといって、彼ら自身が発表したリポートだけで、すべての疑惑を払拭することもまた難しい。

むしろ、明らかに問題なのは、このような疑惑の企業に基地局設備の大半を任せるソフトバンクのほうかもしれない。小泉政権下で内閣総理大臣主席秘書官を務めた飯島勲氏は、

私の周りにいる国家機密を扱うような人や情報機関の所属で、ソフトバンクの携帯を使っている人はいない。みな、ドコモを使っている。幸いにして、ソフトバンクの携帯に電話をすると、『ププッププッ』と独特の音が鳴る。その音を聞いたら、相手がどんなに不審に思おうと、私は世間話で電話を切ることにしている

と「プレジデント」誌のコラムで記している。これは、かなり極端な見方かもしれないが、有事の際にソフトバンクのケータイの基地局が一斉に遮断される……といった事態が起きたりはしないのか。ファーウェイ製の端末の販売をはじめたドコモも、今後は飯島氏が言うほど安全ではないのかもしれない。(岡嶋佑介)

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岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

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