インタビュー

「Twitter人生相談」で活躍 作家・志茂田景樹(72)はGalaxyユーザーだった!!?

ツイッターで「名言」を発信する直木賞作家・志茂田景樹さんのアカウントが若いユーザーたちの間で話題になっている。奇抜なファッションでテレビでもお馴染みの志茂田さんは、72歳という高齢でありながらツイッターを使いこなし、フォロワー数22万人を突破する人気を獲得した。

その人気の秘密は、仕事を転々としながら36歳で作家デビューした志茂田さん独特の人生観で語られる名言と、悩めるユーザーからの質問に答える人生相談だ。先日、当サイトでは著書を出版した息子・下田大気さんのインタビューを掲載したが、今回はツイッターで若者たちの心をつかんだ志茂田さんへのインタビューをお送りする。

――ツイッターを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

2010年に作家仲間の内藤みかさんが『夢をかなえるツイッター いいことが起こるつぶやきのコツ』(技術評論社)という本を贈ってくださったんですよ。それを読んでわりと簡単そうでいいなと。それと140字以内っていう文字制限がすごくいいなと思いました。短い文字制限の中で文章をまとめるというのは、作家的感覚と合ってるんです。普通だったら1000字、1500字かかるところを140字以内で的確に伝えるというのは、文章の勉強にもなるからやってみようかなと。

――失礼ですが、志茂田さんの年齢でITツールを使いこなしているのは珍しいと思います。

3、4年前からブログをやってましたからね。ネットに対して「面倒臭い」という意識は全くないです。パソコンの使い方を習ったわけじゃないですけど、いじりながら少しずつ覚えています。

――もしかして、スマートフォンも使われますか?

ツイッターは全てスマホからです。それにスマホでないと、出先でパソコンに送られた急ぎのメールに対応できないですからね。

――ちなみに機種は何でしょうか?

「GALAXY S Ⅱ」です。画面が大きいし、使いやすいですね。

――ツイッターを始めてみてどう思われましたか?

はじめは何を書いていいか分からなくて、身辺雑記的なことを書いていたんですけど、そんなことを書いててもつまんないなと。他の人はどんなことを書いているのか見てみると、「原宿なう」なんて書いてある。でも、そういうことじゃなくて、140字の中で自分の考え方やアピールしたいことをやってみようかなと思いました。それからフォロワーがグイグイ伸びていったんですよね。

――反響のコツのようなものをつかんだんですね。

ツイッターっていうのは、多くの人が何となく「こうじゃないかな」と思ってることを明文化してあげるツール。今のように閉塞感の強い時代に、特に若い人たちの不安に触れたような言葉を発信すると、凄く反響が大きいというのが分かってきました。大体その傾向でやってるうちに、質問のリプ(コメント)もたくさんくるようになった。それに答えていくことで、人生相談のようなやり取りも多くなりました。年齢層は約7割が中高生を含む20代以下、3割が30代以上という感じですね。

――ツイッターで接してみて、現代の若者はどういう悩みを抱えていると思われましたか?

今も昔も同じでしょうけど、恋愛、仕事、心のリズムの問題でしょうね。ただ、20年前、30年前と明らかに違ってきているのは、恋愛でいえば今の若い人たちは、実際のリアルな友人関係ってあまり広がらないんですよ。10人程度のつながりの中で恋愛をしているから、うまくいかないとすぐやめちゃう。するとどうなるかというと、元カノ、元カレとヨリを戻すケースが凄く多くなる。昔だったら、別れたら違う人間関係の中で恋人を見つけてたんです。今の世代はネットで距離のある友達をすぐにつくれますけど、実際のリアルな人間関係というのは昔の世代に比べて狭いと思いますね。

――なるほど。ネットでつながっている友達が大勢いても、現実には孤独という人は少なくないですね。それが恋愛にも影響しているんでしょうね。

それとですね、片思いしている人が多いんですよ。20年前も30年前も片思いはいましたけど、昔は周囲の人間にも相手にもミエミエだったんですよ。周りが冷やかしたりしてるうちに何となくカップルになったりしたんですが、今は周りにも相手にも分からないように片思いしてるんですね。今の世代は一対一の関係で自分の気持ちを言うことが苦手なんですよ。だから密かな片思いが増えてるのかなと。これは興味深いなと思います。

――仕事の悩みについてはどんな傾向でしょうか?

「今の会社に合ってないから辞めたい」という悩みが多いですね。最近は新入社員の離職率が物凄く高いと思うんですよ。昔は「五月病」というのがあったんですが、最近は五月病って聞かないでしょ? 今は飲み会とかで話すと、ほとんど全員が「ヤル気が出ない」という人ばかりになっちゃった。大学でずっと五月病だった人が社会に出て、環境に対する不適合症状を強く起こしてると思うんですよね。

――もっと若い世代はどうでしょうか?

今はゆとり世代の人たちがどんどん社会に出てるんですよ。彼らは「あんまり勉強しなくてもいいけど自信を持ちなさい」と教育されてきましたから、自信満々で会社に入るんです。でも、自信だけあっても入ったばかりで能力はないでしょ。しばらくすると「こんなはずじゃなかった」って自信を失ってしまう。根拠なき自信があった人が自信を失うと、急激な自己否定をします。「ああ、自分はダメな人間だったんだ」って。ゆとり世代もどんどん離職していくと思いますよ。

――うーん。これから新たな問題としてクローズアップされそうです。お話を聞いているだけでも面白くて勉強になりますが、名言をまとめたツイート選集を出版されるそうですね。

「人って、みな最初は石ころだもの」(ポプラ社)というタイトルで9月7日に出版されます。このタイトルは「景樹さんにとって仕事って何ですか」と聞かれた時の「人って、みな最初は石ころだもの。親が一生懸命磨いてくれる。でも、社会に出たらそれぞれに自分で磨いていかなくちゃ。それが仕事なんだ」という答えの一節からとってます。現代人はあまり重くならないちょっとした助言や、優しく包んで背中を押してくれるような励ましを求めています。この本がその役目を果たしてくれることを願いたいですね。


同書は「人生」「日々」「恋と愛」「はたらく」などジャンル別に、志茂田さんの名言と人生相談の回答が綴られている。最初の扉ページには「ぶつかって、磨いて。輝くために世の中はあるんだよ。」という印象的な言葉が記されている。豊かな人生経験と独特のセンスで若者とネットで触れあい、人生のヒントを教え続けている志茂田さんのツイッターは「誰かのほんの少しの優しい後押し」を求める現代人の駆け込み寺になっているのかもしれない。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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