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会場内はWi-Fi禁止!!? ネット関連で問題続出「ロンドン五輪」の舞台ウラ

日本人選手のメダルラッシュによって国内でも大いに盛り上がっているロンドン五輪。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが普及してから初の夏季五輪ということで、別名「ソーシャル五輪」とも呼ばれている。国際オリンピック委員会(IOC)もソーシャルメディアの使用を推奨しており、選手や観客がリアルタイムで現地から情報を発信している。

ところが、ソーシャルメディアに対するIOCの中途半端な推奨姿勢や、選手の不適切な発言によって問題が続発している。

IOCはソーシャルメディアの使用を無制限で認めているわけではない。Twitterなどに投稿する文章は、個人の日記形式であれば問題ないが、他の選手を批評したり競技内容に関係する秘匿情報を綴ってはならない。写真は個人的に会場内で撮影したものならば投稿可能だが、広告目的になりかねない商品が写ったもの等は禁止。動画に関しては、選手の投稿を一切認めていない。

オリンピックはスポンサーや放映権によって莫大なカネが動くため、IOCが過敏になるのも無理はないのかもしれないが、せっかくのソーシャルメディアの手軽さを阻害するような不自由な規則に対して、選手たちからも不満の声が上がっている。

それだけでなく、ネット利用環境が整っていないという状況も批判の的になっている。
バレーボール女子日本代表の真鍋政義監督は、いつもiPadを手に試合中にデータ入力し、リアルタイムで試合状況を分析する姿がお馴染みとなっている。ところが、初戦アルジェリア戦で指揮を執った真鍋監督の手にiPadはなかった。これは「時計の計測に影響する」などの理由により、各会場でWi-Fi通信が制限されているためである。さらにロンドン五輪では、3GモバイルルーターやWi-Fiホットスポット端末が「持ち込み禁止物」に指定されている。

といっても全く使用できないわけではなく、会場内には公式スポンサーである通信事業者「BT」が設置したホットスポットが約1500ヶ所用意されている。しかし利用は有料で、90分=5.99ポンド(約730円)、24時間=9.99ポンド(約1200円)ほどで使うことになる。さらに、プレス向けの五輪終了までのWi-Fi使用は180ポンド(約2万2千円)となっており、大不評を買っているようだ。

モバイルルーターの持ち込みを禁止した理由は明かされていないが、公式スポンサーのBTに配慮したという見方が強い。だが、単体でソーシャルメディアが利用できるスマートフォンの持ち込みは禁止されているわけではないため、ちぐはぐな印象は否めず、単に利便性を阻害しているだけの結果になっている。

また、陸上女子三段跳びに出場予定だったギリシャのパラスケビ・パパフリストゥ選手が、Twitterでアフリカ系移民に対する侮辱的な発言をしたとして選手団から追放処分を受けた。開催前は「美人過ぎる選手」として注目されていただけに、出場前の追放という事態は世界的な話題となった。

さらに、スイス男子サッカー代表のミシェル・モルガネッラ選手が、ラフプレーの応酬になった韓国ースイス戦後に「韓国人たちを殴ってやりたい。あいつらは精神異常者だ。燃やしてしまえ」などとTwitterに投稿。これが大きな問題になり、モルガネッラ選手はスイス代表団から永久追放処分を受けた。だが、これは単なる差別発言というよりも、SNSでの韓国ネチズンとのやり取りが加熱した結果とも見られる。

試合中にモルガネッラ選手は、韓国のパク・チュヨン選手に足を踏まれ、グラウンドに倒れ込んだ。これによってパク選手にイエローカードが出されたが、韓国側のファンからモルガネッラ選手のオーバーアクションだという批判が噴出。モルガッネラ選手のTwitterやFacebookに韓国語と英語の批判コメントが殺到する炎上状態となり、それに彼が反発した結果が件の発言だったようだ。

また、フェンシング女子の試合結果においても韓国ネチズンは暴走しており、微妙な判定で韓国選手に勝利したドイツのブリッタ・ハイデマン選手が「判定に問題はなかった」と発言すると、彼女のFacebookに非難が殺到。「卑怯な勝利だった」「あんな勝ち方で堂々としているのが腹が立つ」といった批判コメントが数百件も書き込まれた。

ソーシャルメディアによってオリンピックの楽しみ方が広がった一方で、多くの問題も露呈したのが今回の五輪と言える。急速に普及したソーシャルメディアの利便性をIOCが活用できておらず、選手たちも発言のリスクを理解し切れていない様子だ。金メダル候補が問題発言で競技前に追放されるようなことがあれば、五輪の注目度に関わってくる。今回の五輪を教訓にして、IOCはソーシャルメディアの有効な活用法を探ってほしいところだ。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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