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三才ブックス逮捕 警察が「DVDコピー」に本気出した理由

市販DVDをコピーするためのプログラムを販売したなどとして、三才ブックスの取締役ら4人が逮捕された。三才ブックスといえば「ラジオライフ」や「ゲームラボ」などで知られる出版社だが、ムック本「ものすごくわかりやすいDVDコピー2012」にコピープロテクトを解除するソフトが収録されていたことが、不正競争防止法に違反したという疑いが持たれている。

他の出版社からも類似した書籍が出ているにも関わらず、三才ブックスが逮捕された理由としては、再三に渡る日本映像ソフト協会からの警告を、無視していたことが原因との報道もある。また、昨年12月から施行された不正競争防止法に、プロテクトを不正に解除するツールの販売を禁止する条項があるが、同社ではコピーガードやマジコンなどの情報を継続して扱っていたため、当局から目をつけられていたという見方もある。関係者に話を聞いた。

「今回はムックの付録CD-ROMにリッピングソフトを入れていたことが問題のようですが、今後はDVDコピー方法を紹介するような記事も、しばらく自粛することになりそうです。『誰でもできるDVDコピー、といった見出しも難しいでしょう。かつての『ネットランナー』などの雑誌では、ぶっこ抜きとか悪用厳禁など、もっと過激なコピーで煽っていましたが、その当時から警察が動くのではないかという噂はありました」(ネット専門誌ライター)

「ネットランナー」といえば、かつてITジャーナリストの津田大介氏が執筆していたことでも有名だが、当時に比べると違法ツールの需要は減っているという。

「以前に比べるとDVDコピーやファイル共有の話題は、あまり盛り上がらなくなってきています。こうしたツールは海外製も多く、ダウンロードする際にウイルス感染のリスクもあります。またiTunesなどの合法配信サイトが充実してきたことで、手間のかかる違法ダウンロードを敬遠するユーザーも増えています。今回の三才ブックスのムック本も実売は4000部程度で、版元としてはそれほど儲かるわけではありません。それでも警察が逮捕に踏み切ったのは、著作権法改正の影響があると言われています。法改正を前に警察としては、不正競争防止法だけでも逮捕できるという前例を作っておきたかったのではないでしょうか」(同ライター)

改定著作権法は今年10月から施行されるが、ユーザーの意見を反映していないという声は根強い。今回の法改正で特に注目されているのは「DVDのリッピング」だ。たとえ自分で購入したDVDであっても、コピーガードを解除してPCやスマホに取り込んだりする行為は違法とされる。音楽CDはパソコンやスマホに取り込んで便利に使っているのに、DVDを取り込むと違法になるというのはユーザーの立場では理解しづらい。

また、今回の法改正に関しては、宇多田ヒカルがツイッターに「ダウンロード違法化がなんぼのもんじゃい」と書いたことが共感を集めるなど、多くのネットユーザーの間から不満の声が噴出している。

犯罪行為を奨励するような書籍が規制されることはやむをえないが、今回のようにソフトをCD-ROMに収録しただけで逮捕となると、パソコン雑誌全体が萎縮してしまうことにもなりかねない。また、ソフトウェアを紹介している商用サイトや個人ブログはどうなのか、専門家のあいだでも判断が分かれている。

どこまでが合法で、何が違法かのラインがこのままでは警察の裁量次第になってしまう恐れもある。ユーザーの自由に関わる問題として、この事件の今後に注目したい。(エックスドロイド編集部)

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