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泥沼化するサムスンVSアップルの訴訟合戦 Googleも巻き込む全面戦争に発展か!!?

サムスンのGalaxy S3の販売が好調だ。世界でAndroid携帯史上最大の予約数を獲得し、米国のSprint社では生産が追い付かず発売を延期したほど。サムスンは7月中にも累計販売台数は1000万台にのぼるという見通しを明らかにした。日本でも6月28日に発売され、予約だけで6万台を記録する人気ぶりだ。

しかし、そんなサムスンに暗雲が立ち込めている。6月26日、カリフォルニア州連邦地裁はタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」のアメリカでの販売差し止め命令を下したほか(欧州の一部ではすでに販売差し止めの仮処分となっている)、29日には、Android 4.0の旗艦モデル「Galaxy Nexus」にも販売差し止めの仮処分が下されている。アップルとの訴訟で、サムスンに不利な判決が続いているのだ。

昨年4月から、世界中で実に30件以上という特許訴訟を争っているサムスンとアップル。今年5月には、この泥沼化をなんとかしようと、アップルのティム・クックCEOととサムスンの崔志成(チェ・ジソン)CEOがカリフォルニア州北部連邦地方裁判所にそれぞれ出廷し、和解に向けたトップ会談が実現。しかし、2日間に渡り交渉を行ったが、話し合いは決裂。しかも、和解交渉の直後に、裁判上で両社が攻撃する場面が見られたというから、お互いが交渉決裂を見越していた、という話も出ているほどだ。

アップルは、裁判所に提出する申立書の中で「サムスンがスマートフォン市場でトップに立てたのは、コピー商品を大量に売りさばいたから」と批判し、サムスン側は「アップルは市場で競争できないと見るや、訴訟で戦う方法を模索した」と、やり返すなど、亀裂は深まる一方だ。

泥沼化の原因をこう分析する人もいる。「サムスンは、政府のウォン安為替政策のバックアップもあって、世界市場で日本メーカーを駆逐し、いまや世界一の家電メーカー。Galaxyシリーズのいくつかがアップル製品に酷似していることは明らかですが、訴訟を受けても金で解決できる、と軽く考えていたんでしょう。でもアップルが突き付けた要求は想像以上だった。だから逆提訴の作戦に切り替え、少しでも既存製品の販売期間を延ばす作戦に出たんだと思います」(ITジャーナリスト)。

現に、サムスンは、アップルとの米国での裁判に韓国語で書かれた資料を大量に提出するなどの引き延ばし工作を働き、ペナルティを与えられたこともある。ドイツなどではGalaxy Tab 10.1の販売が仮差し止めになった後、インターフェイスや製品デザインを変更することで仮差し止め処分を回避していることから、判決が出るのを遅らせることで、その間に製品の販売を続ける、といった思惑もあるのかもしれない。

なお、今回の判決でGalaxy Nexusがアップルの特許を侵害しているとされたのは、検索欄に入れた入力語句で、Web上だけでなく内部データも含めて検索できる「統合検索機能」。この機能はAndroid OS 4.0に標準搭載のため、これが特許侵害となると、今後はサムスンに限らず全Android端末が特許侵害で訴えられる可能性もあることになる。サムスンのなりふり構わぬ戦略も姑息だが、アップルが「何がなんでも叩き潰す」という姿勢を続ければ、最終的には本丸であるGoogleとの衝突を避けられないことは明白だ。次回の公判は7月30日に予定されているが、まだまだ訴訟合戦は続きそうである。(岡嶋佑介)

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岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

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