コラム

ニコ動で盛り上がる「枝野首相」待望論

 

 

このところネットユーザーの間で好感度急上昇中なのが、枝野幸男官房長官。

 

3月17日から首相官邸での会見がネットメディアにも開放され、ネットを通じて会見を見ることが可能になった。ニコニコ動画では、ユーザーの書き込みがリアルタイムで流れ、視聴者のダイレクトな反応が見られることが特徴だ。

 

 

 

 

寝る間を惜しんで精力的に対応に当たる枝野官房長官は、国民的な人気もさることながら、ニコ生では「えだのん」の愛称で圧倒的な人気を誇っている。

地震関連の会見の生放送を見てみると、以下のようなコメントが多数を占めた。

 

・えだのん頑張れ!
・お、枝野首相の会見始まった
・えだのんかわいい
・この人、嫌な感じがしない
・枝野寝ろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーザーが作成したと思われる枝野官房長官の就寝中の画像

 

 

ニコニコ動画に限らず、ネットコミュニティでは「ネット右翼(ネトウヨ)」「ネット左翼(ネトサヨ)」と呼ばれる人達が対立し、支持する政党も真逆であるのが通常であるが、枝野人気は政治思想を超えて幅広く浸透している。

 

会見の順番も影響していると思われ、菅首相が視聴者の多くが知っている内容に終始した会見をした後に、枝野官房長官が詳細な会見をするという構図は、まるで落語の「前座」と「真打ち」といった趣である。

 

アメリカでは、現大統領のオバマ氏が大統領選の期間中に、YouTubeに公式チャンネルを開設するなどネットを積極的に活用した。

 

非公式のものも含めて、幅広い層に彼の動画が視聴されたことで人気を不動のものにし、当選を確実にしたという経緯がある。日本の政治家も、独占記者会見を配信した小沢一郎氏などがニコニコ動画を積極的に活用しているが、実際に人気の獲得に結び付いたのは今回の枝野官房長官が初めてといっていいだろう。

 

大きな災害や事件があった時、ネットという身近かつ双方向のメディアで奮闘している政治家の姿を見れば、自分と距離が近いという感覚が生まれ、肩入れしたくなるのがネットユーザーの心理である。小沢氏に無く、枝野氏にあるネット人気の秘密が、そこにあるのかもしれない。

 

 

枝野氏は海外メディアの評価も高く、米国の新聞『ウォールストリートジャーナル』は「大地震前は枝野官房長官を首相の器と見る人が少なかったが、今は違う」と報じ、イギリスの新聞『ガーディアン』も「枝野官房長官は日本政府の口であり、日本の顔である」と伝えている。

 

 

 

CNNのインタビューに応える枝野氏。海外メディアからも熱い眼差しが注がれている

 

 

9・11で沈んだアメリカはYouTubeからオバマ大統領を生み出した。

 

東日本大震災からの復興を目指す日本は、ニコニコ動画から枝野総理大臣を生み出そうとしているのかもしれない。

 

サブカルから始まって今や国政を左右する存在となったニコニコ動画は、政治においても無視できないメディアになったといえるだろう。

(文・佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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