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“セックス合宿”主催団体の新たな仰天プラン「契約婚プログラム」の中身

昨年5月、セックス経験のない大学生を対象に性生活の機会を提供するセミナー「成人合宿」が告知され、大きな話題となった。当サイトでも「参加費15万円 童貞卒業のためのセックス合宿主催者にインタビュー」との記事を掲載、大反響を得たが、2泊3日のセックス実習で抽選で選ばれた相手と行為に及ぶという内容は、前代未聞の試みだった。企画した新潟の非営利組織「ホワイトハンズ」は、障害者の性の問題に意欲的に取り組み、射精介助サービスなどを展開してきた。代表の坂爪真吾氏は、「近年セックスを経験しないまま年齢を重ねる若者が増えている」状況にも危機感を示し、「生涯にわたって健康的な性生活を送るための学習の場」として、“童貞・処女卒業合宿”ともいえる成人合宿を企画した。

ところが、成人合宿がネット上で告知されると「セックス教団か」「童貞と処女を利用して金儲けをしようとしているのでは」「管理売春に問われかねない行為」などといった批判が殺到。大炎上に発展し、警察までが動く事態となり、開催は無期限延期となった。

それから1年。坂爪氏は性の革命を起こそうとする自らの奮闘記と情熱の理由を綴った新書『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』(小学館)を上梓。さらに、日本初の「契約婚プログラム」なる新プランを発表した。

そのプランとは、応募した男女を抽選でペアにし、期間限定の交際契約を結ばせ、実践形式でセックスも含めた男女交際のスキルを学習するというもの。契約は3ヶ月ごとに両者の協議の上で更新することができ、定期的に提出するレポートによって交際中のトラブルや悩みを事務局がケアする。性交渉は1回目の更新以降(交際4ヶ月~)に可能となり、それ以前にセックスを強要すると強制的に契約解除される。

参加費は無料となっているが、契約時に5万円の委託金を事務局に預け、違反行為などによる中途契約解除が発生した場合は没収される。また、参加者の性経験の有無は問わないが、参加資格は大卒で定職に就いている者に限られる。現在、男性数名からの応募が来ているが、女性からの応募はまだないという。

今回の「契約婚プログラム」も、「成人合宿」に負けない斬新さとインパクトがあり、物議をかもすのは間違い無いだろう。批判にめげす新プランで性革命に挑む坂爪氏を直撃し、その真意を聞いた。

――前回はネットを中心に異常なほどの批判がありましたが、今回の新プランでは、その失敗はどのように生かされたのでしょうか。

「短期間」の「合宿形式」で開催すると、不要な感情的バッシングが巻き起こったり、セクシュアル・リテラシー(性の問題を理解するために必要な知識・能力)の無い残念な人たちが、見るに堪えない痛々しい振る舞いを繰り広げる、ということがよく分かったので(笑)、短期の合宿形式ではなく、「長期間」かつ「一対一」の「契約婚」プログラムという形に変更しました。

――契約婚プログラムは、男女交際のスキルという点に重点を置かれていますね。

性交渉そのものをクローズアップするのではなく、「特定のパートナーとの長期的な関係性の構築の練習」をまずベースに置いて、その過程の中で、一定の交際期間の経過と、(義務でも強制でもなく)両者の合意があれば、性交渉も可能、というスタイルに変更しました。

――参加資格が「大卒で定職に就いている者」に限られている理由は何でしょうか。

特に限定している意識は無いのですが、まだ現段階では試験的な実施の段階なので、最もプログラムのニーズが高く、かつ安全に実施できると想定される層同士に絞りました。プログラムがうまく回るようになれば、「高校生同士」から「高齢者同士」まで、受講対象者の幅を広げていきたいと思います。

――今回、参加費を無料化した理由をお聞かせください。

このプログラムに関しては、企業が営利目的で行うのではなく、地域社会のNPOや自治会等の有志が、有償ボランティアのような形で関わって、回していくことが理想的だと考えております。まず私共の方でプログラムの実施実績を積んで、プログラムを運営するための方法をテキストや講義といった形にまとめて、全国の地域社会に普及させていきたい、と考えております。

尋常ならざる情熱で性問題に取り組み続ける坂爪氏は、成人合宿の失敗を経て一段とパワーアップしているようだ。

自治体が少子化対策として盛り上げようとしている「街コン」などは、結局は恋愛強者がいい思いをするだけでしかないという声もある。契約婚プログラムは、恋愛初心者や恋愛弱者が基礎知識を身につける場として価値があるといえるかもしれない。

DVや望まない妊娠、離婚の増加など、性にまつわる問題は深刻化している。また、初体験年齢の若年化が問題視される一方で、セックスや男女交際と距離を置き続ける若者も多く、非婚化や少子化の大きな原因となっている。

坂爪氏は1981年生まれ。東京大学文学部に在学中は上野千鶴子ゼミに所属し、ジェンダーやセクシャリティの分野を専攻。近年の性の問題の要因の一つとして、「かつて村落に存在した性や男女交際の『学習の場』」がなくなったことを挙げている。果たして、ホワイトハンズのプログラムが、その代わりになることはできるのだろうか。(佐藤勇馬)

参考リンク:契約婚プログラム「パートナーライセンス」 http://partnerlicense.org/index.html

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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