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“ネット乞食”との批判が殺到 大炎上の学費支援サービス「studygift」の今後

経済的事情で大学を続けられなくなった学生のサポートを目的とした学費支援サービス「studygift」が物議を醸している。同サービスは起業家の家入一真氏が中心となって5月17日にオープンし、サポート第1号として早稲田大学社会学部に在籍していた坂口綾優さん(24)が選ばれた。彼女は普通の女子大生でありながら、一時はGoogle+の被サークル数(フォロワー数)日本一になった人物。2つの奨学金とアルバイトで学費と生活費をまかなっていたが、成績が下がったことを理由に奨学金が打ち切られ、学業を続けられなくなった。

「studygift」は、サイトを通じて一口5000円の寄付をするとサポーターになることができ、ニュースレターの配信やサポーター集会への参加といった特典を受けることができる。また、企業の参加も可能で、特別スポンサーとして10万円を寄付すると、彼女のノートPCやiPhoneなどにロゴや商品名を貼り付けてもらえたり、ネットで宣伝をしてもらうことができるという。経済的理由で大学を中退する学生が増加している状況下で、ネットを通じた「あしながおじさん」的な斬新なサービスだ。

だが、ネット上では「成績低下で奨学金を打ち切られたなら自業自得だろ」「もっと苦しい状況で大学をやめた学生はゴマンといるのに」「世の中をナメてるな」「ただのネット乞食じゃねえか」といった批判が殺到し、大炎上に発展した。また、坂口さんは当初は在学中であるかのような印象で寄付を募っていたが、すでに退学扱いとなっていることが分かり(復学を目指すという形になる)、それも火に油を注ぐことになった。

批判を尻目にサポーターは続々と現れ、開始5日で目標額を超える97万5000円が集まった。このサービスの道義的な評価は別にしても、実際に不足分の学費を短期間で寄付によって集める効果があったことは立証されたといえる。

ネット上では今も「studygift」の手法に賛否両論が巻き起こっているが、何よりも問題視されているのは「不公平感」だろう。未来ある学生が経済的理由で大学を中退することは、間違いなく悲劇である。その問題を解決する手段を模索することは確かに有益だ。だが、前述したように中退者は大勢おり、なぜ彼女だけがサポートの対象に選ばれたのかという疑問が浮かぶ。

また、今回のような手法で学費を集めれば炎上することは、ネット文化に詳しいはずの運営側は分かっていたはずだろう。その矛先が運営側ではなく、坂口さんに向けられることも予想できたはずだ。学費の援助というデリケートな事柄に炎上マーケティングさながらの手法を取り入れ、顔も本名も晒している学生への配慮に無神経だった感は否めず、それが不信感となってネットの拒否反応を生んだともいえる。

「切込隊長」として有名なブロガーの山本一郎氏によると、今回の件で早稲田大学に相当数の抗議の電話があり、大学側は迷惑をこうむっているとのことだ。現在は関係者と大学側が直接やり取りし、坂口さんの今後の扱いを話し合っているというが、どのような結果となるのか。「studygift」が果たして大学中退者の増加に一石を投じる価値ある取り組みになるのか、ただのネット乞食サービスと評価されしまうのか、今後の動向に注目したい。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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