アンドロイド関連ニュース

大騒動に発展の“コンプガチャ規制” ユーザーからは「廃止されると困る」との声も

ソーシャルゲームからほぼ完全に消え去ることになりそうな”コンプガチャ”。消費者庁がコンプガチャを違法だとする見解を出す報道が出るやいなや、ゴールデンウィーク明けの5月7日はグリー、モバゲーを運営するDeNA、さらにはソーシャルゲームの比重が高いクルーズ、アクセルマークなどのSAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)が株価のストップ安を記録、そのほか多くのゲームメーカーが値を下げた。

DeNAやグリーなどはすぐにコンプガチャの廃止を発表。テレビや新聞などのメディアでも「コンプガチャとは何か?」、「中学生が何十万もお金を使う仕組みなんてとんでもない!」という論調で大きく取り上げられた。もともと新しい業界だけに”お上”からの指摘やメディアから悪評を立てられることに対しては非常に弱い。今回の動きは実際に規制が行われる前に先手を打つ形で全面撤退となった。

ブロガーの山本一郎氏は「(違法となれば)コンプガチャは1200億円以上が返金対象になる」という見解を自身のブログで展開。ネット上では、大きな反響を呼んだ。しかし、松原国家公安委員長が「賭博罪などの刑罰法令に該当するような実態は確認されていない」と述べているように、実際にコンプガチャを政府が違法と認めたわけではない。

では実際にゲームをやっている当事者であるユーザーはどう見ているのか。問題発生後もコンプガチャの提供を継続(終了期間をもって停止)している『アイドルマスターシンデレラガールズ』のユーザーは、

「コンプガチャ終了記念に回してみた。55K(注:5万5千円)でやっと2人目そろった」
「コンプガチャ無くしても期間限定SRとかすればみんなまわすよね?」
「コンプ運はそこそこだがSRひけない体質のおれにとってコンプガチャないとスタドリ(注:ゲーム内のアイテムの”スタミナドリンク”の略)の増やし方がわからん」

など、メディアの騒ぎぶりとは裏腹に、「コンプガチャがなくなると困る」という意見すら出ている。

そもそも、コンプガチャは課金機会の演出の一環として取り入れられたに過ぎず、「5回分の料金で6回ガチャが回せますよ」とセット販売することや、「ガチャ1回につき回復アイテムがもらえる!」とオマケを付けることと本質的にはさほど変わりはない。中学生が親に内緒で46万円もコンプガチャにつぎ込んだ事例がよく引き合いに出されるが、それはコンプガチャでなくても起こりうる話であって、そうするとガチャそのものに問題がある、ということになってしまう。しかしながら、一方でコンプガチャの仕組みそのものが暴走する危険をはらんでいたことも事実。「2周コンプリートすると1周目と異なる超レアカード」と煽るコンプガチャを出すゲームもあったほどだったので、”お金を搾取する仕組み”をエスカレートさせないためにも、今回の騒動は消費者にとってプラスだったのかもしれない。

コンプガチャ終了によってソーシャルゲームが完全崩壊するかといえば、そうではないだろう。コンプガチャに代わる何かが登場するだけだろう。少なくとも今回の騒動が起きるまでは、えげつない商売だなと感じはしたものの、作っているメーカーも、プレイしているユーザーも”コンプガチャが違法だ”とはまるで認識していなかった。だが、ガチャについても、メーカーがユーザーにわからないように確率をいじったり、出回るカードの量を調整している、というウワサは絶えない。ソーシャルゲームの闇はまだまだ深い。(岡嶋佑介)

››岡嶋 佑介の記事一覧

岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

おすすめサイト