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“MNPの発射台”として使われた日本通信がドコモに猛抗議

日本通信がMVNO(仮想移動体通信事業者)として通信設備を借りる際に支払う接続料を巡ってドコモと対立していることがわかった。日本通信の三田聖二社長は「場合によっては訴訟も辞さない」と明かすなど、異例の事態となっている。

問題は、ドコモが2010年度のデータ通信の接続料から新しい算出方式を導入したことにあるという。算出方式は明らかにされていないが「2008年の契約時に決めたものを勝手に変えるのは契約違反だ」というのが日本通信の主張だ。ドコモはホームページで新規契約内容を明らかにしており、対立が表面化するのはこれから、といったところだろう。

日本通信といえば、今年3月下旬にも携帯キャリアに対し「MNP(番号ポータビリティ制度)で数万円のキャッシュバックを行うのは過剰だ」として公開抗議を行っている。日本通信の通信サービスプランには、いわゆる”2年縛り”がないため、契約後にすぐ他キャリアに移ることで、MNPのキャッシュバック分を丸儲けできるという裏技があり、これを利用する人が多発していたからだ。日本通信で契約した場合、便宜上はドコモの回線として扱われるため、auやソフトバンクに乗り換える際には、得をするかたちになっている。

たとえば日本通信の「トーキングSIM U300」の場合、
3,150円(初期手数料)
+3,960円(月額基本料)
+2,100円(MNP手数料)
=9,210円

以前はたったこれだけの費用でMNPの発射台として利用することができた。SIMカードのみなので端末は購入する必要はない。MNPのキャッシュバックは販売店によって異なるが、仮に7万円のキャッシュバックがあれば、6万円以上を労せず手に入れることができる。事態を重く見た日本通信は3月20日にサービス条件を変更し、契約1年未満の解約には10,500円の違約金を徴収することとした。しかし、それでも現状のキャッシュバック金額の相場と比較すれば、解約ユーザーに旨みは残るわけで、この現象に歯止めをかける決定打にはならないだろう。

基本料0円のヨドバシSIMや、音声通話可能で月額980円から使えるイオンSIMなど、他キャリアにはない挑戦的なサービスを打ち出してきた日本通信。今回の騒動を契機に、大手キャリアの料金体系がユーザーにとって本当にメリットのあるものに見直されることを期待したい。(岡嶋佑介)

参考リンク:日本通信、携帯キャリアの過度なMNPインセンティブに対する公開抗議

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岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

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