アンドロイド関連ニュース

人気作家が「自炊代行」業者を提訴 津田大介氏らは痛烈に批判

本をスキャンして電子書籍化する「自炊」の代行業者の是非をめぐる騒動が起きている。
12月20日、自炊代行が著作権侵害の恐れがあるとして、人気作家たちが自炊代行サイト「スキャンボックス」を運営する有限会社愛宕(川崎市)と「スキャン×BANK」を運営するスキャン×BANK株式会社(東京都)を相手取り、スキャン行為の差し止めを求める訴えを東京地裁に起こした。提訴したのは、作家の東野圭吾、作家の浅田次郎、大沢在昌、林真理子、漫画家の弘兼憲史、永井豪、漫画原作者の武論尊の7氏。

近年、タブレットやスマートフォンが普及し、置き場所をとらない電子書籍の需要が急速に高まっている。だが、出版業界は電子書籍の推進に及び腰の状況であり、電子書籍のラインナップがそろっていない。さらに、電子版を発売しても紙と変わらない値段だったり、紙の本が発売されてから一定期間が経たないと電子版が出ないこともある。

そのため、自分で書籍をデジタル化する「自炊」と呼ばれる行為に乗り出すユーザーが急増した。しかし、実際に自炊をするには本を綺麗に裁断せねばならず、一枚一枚スキャンするのも面倒。その手間を代行していたのが、今回訴えられた自炊代行業者だ。私的複製は著作権法で認められているが、複製を代行する行為が複製権の侵害になるかどうかが焦点。

提訴後に会見した浅田氏は「作品は血を分けた子供と同然で、見ず知らずの人に利用され、 知らないところで利益が出るのは許せない。裁断された本は正視に耐えられない」と発言、弘兼氏は「利便性を優先すると制作側にダメージがあることを知ってほしい」と語っている。しかし、これらのコメントは作家の感情論や個人の論理が先走っている印象が否めず、なぜ読者が業者に頼んで自炊してまで電子書籍を求めているのか理解できていないフシがある。本を裁断されるのがしのびないという考え方に至っては、読者が購入した本の使い方にまで文句をつける権利があるのか?という疑問も浮かぶ。

事実、ネット上では「電子書籍のラインナップが充実していれば自炊する必要がなくなるのに」「電子書籍化されても値段が紙の本と変わらなければ魅力を感じない」「業者は著作権にタダ乗りしてるわけじゃなく、工賃をとってるだけだろ」といった声が上がっている。電子化の波に乗り切れない出版社側が、怠慢によってユーザーの需要に応えられていない状況が、代行業者を生み出したといえるだろう。

ITジャーナリストの津田大介氏は、自身のツイッターで日本出版界の古い体質を以下のように痛烈に批判している。

「Kindle Fireが爆発的に売れ始めてる米国とまともな電子書籍マーケットも立ち上がらず、あまつさえ先進読書家のための自炊代行サービスを訴訟で潰す日本。デジタル海賊版対策ってのは摘発とともに違法ファイルと同じものを適切な価格でデジタルに出すのが王道なのにそれもやらない。役所か!」

著作権法の解釈は法廷で決着をつけるべきだろうが、中小企業である代行業者が、大手出版社がバックについた人気作家たちと闘うのは負担が大きく、闘わずして圧力に屈してしまう可能性もある。

出版社・作家側は、自炊代行によってデータ化された書籍が海賊版に流用される懸念があるとも訴えているが、問題なのは海賊版を流通させる悪質なユーザーであり、データ化を請け負う業者を敵視するのは危険な考え方だ。奇しくも先日、ファイル共有ソフト「Winny」を開発して著作権法違反幇助罪に問われた金子勇氏の無罪が確定した。適法にも違法にも利用できる中立価値のソフトを提供しただけでは、違法行為の幇助に当たらないという最高裁の判断が下されたかたちだ。

海賊版を問題視するあまり、ユーザーが正規に購入した商品の使い方まで制限してしまった音楽業界は、衰退の一途をたどっている。出版業界もこのまま古い体質から抜け出せずにいると、いつかユーザーからソッポを向かれてしまうのではないだろうか。(佐藤勇馬)

画像引用元:スキャンボックス http://www.scanboxx.com/

Ashley Madison - Have an affair. Married Dating, Affairs, Married Women, Extramarital Affair

››佐藤 勇馬の記事一覧

佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

おすすめサイト