アンドロイド関連ニュース

米通信キャリアまで巻き込んだアップルvsサムスン全面戦争の行方は!!?

アップルvsサムスンの法廷を舞台にした対立が激化している。9月28日には、サムスングループの幹部が「普通の特許訴訟は特許料を巡るものだが、アップルはそうではなかった。 我々の立場から見るに、アップルはプライドの問題で争っている。このような状況になってしまった以上、対応の仕方を変えざるを得ない」と語り、事実上の全面戦争を宣言した。いったいこの背景には何があるのか。

事の発端は2011年4月15日にアップルが、サムスン製品(Glaxy S 4G及びGalaxy Tab)が自社の製品(iPhone及びiPad)に酷似しているとして、販売差し止めなどを求めて提訴した裁判。その翌週にはサムスンがアップル製品の特許侵害を提訴した。

現在、ドイツにおいてはGalaxy Tabの販売の仮差し止め処分が決定し、裁判は一見アップルの優勢にも見える。だが、8月にオランダで出された判決では、アップルの主張で認められたものはスライドショーソフトウェアの模倣性だけ。しかも、これはサムスン側の問題ではなく、Android OSの機能なので、裁判命令の期日までにアップデートすればお咎めなし。販売の仮差し止め命令こそ出ているが、「事実上のアップルの敗北だ」と報じられている。

さらにアップルに不利な材料が出てきた。8月のドイツでの裁判では、アップルが裁判所に提出した資料において、Galaxy TabがiPadに酷似しているように見せるため、縦横比をiPadと同じにしたウソの証拠画像を提出していたことが判明した。また、オランダの裁判でもGalaxy SをiPhoneのサイズと同じにして並べた画像を提出している。アップルがなりふり構わぬ姿勢で裁判に臨むのは分かるが、証拠改ざんとはなんともお粗末な策と言える。

9月30日のオーストラリアでの韓国側からの和解の提案は、サムスンとアップルの「裁判が決着するまでオーストラリアでGalaxy Tab 10.1を販売しない。そのかわりアップルが裁判で負けたら損害額を算出し、サムスン側に支払う」という合意を受けてのもの。提案の中身こそ明らかになっていないが、「両社が合意に至ればアップルに利益をもたらすと同時にサムスンにとっての不都合も少なくなるだろう」とアップル側の弁護士が語っている。

Galaxy SIIは発売5ヶ月で世界の販売台数が1000万台を突破。スペック、性能を見ても現在、世界最強のAndroid端末であることはいうまでもない。アメリカの通信キャリア・ベライゾンは、9月24日にカリフォルニア州北部地区連邦地裁に対し、アップルから出されたギャラクシーの販売差し止め請求の却下を求める嘆願書を提出している。

「アップルの主張が認められれば、公共の利益が損なわれる」、「自社のLTE網展開や、それによって生まれる雇用の創出を阻害される」といった理由だ。ベライゾンは2月にようやくiPhone4の販売権を獲得できたわけだが、アップルとの関係に亀裂が生じるにも関わらずサムスンへの援護射撃を行った。アメリカの通信キャリア大手のベライゾンが、姑息なアップルよりもサムスンを選んだ、という意味はけっして小さくない。

ついにキャリアも巻き込んだアップルとサムスンのiOS VS Androidの特許紛争。まもなくiPhone5が発売されるが、サムスン、そしてAndroid陣営の強固な結束が揺らぐことはないだろう。(岡嶋佑介)

››岡嶋 佑介の記事一覧

岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

おすすめサイト