アンドロイド関連ニュース

スマホ時代到来でさらに加速する中国の情報鎖国政策

今どきの中国といえばパチモノと不自由なインターネット環境を思い浮かべる人が多いかもしれない。twitterやFacebook、YouTubeにはアクセスできず、Googleも検索できたりできなかったりするのが実情。しかし、そんな情報鎖国のこの国では悪名高き高速鉄道同様に、中国オリジナルで開発した独自OS搭載のスマートフォンが人気となりつつある。

中国では独自規格の3G通信「TD-SCDMA」という規格がある。W-CDMAやCDMA 2000に比べると速度がやや遅いのが欠点だが、そのTD-SCDMA方式を積極的に採用するのが中国移動通信(ChinaMobile)のスマートフォン。「OMS(Open Mobile System)」ないし「OPhone」と呼ばれるOSを搭載した端末が続々登場中なのである。

この「OMS/OPhone」はAndroidをベースとしているがGoogle関係のアプリや、YouTubeやFacebook、twitterなどは一切搭載されず、全て同等の機能を持つ中国産アプリ(つまりパチモノ)が搭載されている。Androidと互換性があるからAndroid向けアプリをインストールはできるが、Android Marketではなく独自のアプリマーケットを用意している。

また一方でレノボも中国市場向けに楽OSという独自OSが入った「楽Phone」というスマートフォンをリリースしている。こちらもAndroidベースながらYouTubeやFacebook、twitterなどは搭載せず、すべてそれと類似した機能を持つ中国産WEB2.0サービスのアプリが詰め込まれている。

中国政府は昨今、5億人近いネット利用者が作り出すネット世論に非常にナーバスになっている。様々な事件での爆発的な情報の広がりや、高速鉄道事故でミニブログなどに発信された情報が、瞬く間に世界に広まった事は記憶に新しい。そんな状況下で政府としては都合の悪い情報を垂れ流す外国産のサービスよりも、いざとなれば管理下に置ける、国産のサービスを奨励する流れになってきたといえる。

さて、そんな情報鎖国化の流れを中国人ユーザーたちはどう感じているのか? 一部のヘビーユーザーは例外として、ほとんどの中国人は「遊べるアプリが沢山あれば満足」といった意見が大半。どこの都市のスマホユーザーを見てもゲームや動画視聴などが主な用途であり、問題意識はほとんど持っていない。レノボの楽Phoneは値段は1万円台後半の価格ながら、動作もサクサクで画面も大きく、評判がいい。

Googleの代わりに登場した百度(Baidu)が中国市場を席巻してはや数年。もはやGoogleを利用するユーザーは全体の1割程度しかいない。多くの人が「YouTube? twitter? ナニそれ?」と世界の人気サービスの潮流とは全く別の方向に行ってしまった中国。そのネット鎖国政策はスマートフォン時代になってさらに加速して行くのかもしれない。(山谷剛/EXドロイド中国特派員)

››山谷 剛史の記事一覧

山谷 剛史

中国を拠点に活動する中国・アジアITジャーナリスト。確定申告で戻った一時帰国中に地震直撃。皆さん、がんばってください!僕も僕なりにできることやってます! Twitterアカウントは @YamayaT

おすすめサイト