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実は単にコストの問題? フジテレビ「韓流ゴリ押し」騒動の真相

俳優・高岡蒼甫が「8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば」などと発言し、フジテレビを批判した騒動が波紋を広げている。この発言が原因となり、高岡は所属していた大手芸能プロ「スターダストプロモーション」を解雇された。以後も高岡は意見を曲げておらず、「まず私はTVを見ない。ネット中継?動画?の方がズバズバ真相言ってますよね。 本当にネット時代なのかもしれないですね」と、テレビを仕事場とする芸能人としては相当に思い切った発言もしている。

ネット上では高岡を擁護する声が多く上がり、YouTubeのフジテレビ公式チャンネルのコメント欄が炎上。また、フジテレビの主要スポンサーである大手企業・花王にも批判が飛び火。ネット通販大手「アマゾン」の花王製品のレビューが炎上するという異例の事態になった。

例えば、主力製品の一つである「花王アタックNeoつめかえ用」のレビューには、「節水になるからということで3・4回買いましたが 節水出来ていても、正直汚れは落ちていないです。日本を愛する企業での購入の方が大切ですし他社製品を、これからは購入します」などと、明らかに悪意を持った書き込みが連続で投稿されている。

また、今回の騒動を受けて、各界の著名人たちも反応。ふかわりょうはラジオ番組で「影響力がある公共の電波を用いて一企業の私腹を肥やすやり方を推進するのは違反なことだと思う」と発言。これに対して、ジャーナリストの江川昭子はTwitter上で「中身がない」と反論。さらに、ロンドンブーツや脳科学者の茂木健一郎がフジテレビ擁護と見られるツイートを連投し、いずれも炎上騒ぎに。さらに、自民党の片山さつき参院議員らが高岡支持を表明し、政界をも巻き込んだ騒動に発展している。

高岡の発言はきっかけに過ぎず、ここ最近のテレビ局の“韓流押し”に嫌気が差していた視聴者の不満が爆発したといえる格好だ。しかし、その一方で「単にコストパフォーマンスがいいから韓流を扱っているだけ」という意見も上がっている。その意見の代表として、テレビ局勤務の人物によるブログがネット上で話題になっており、以下のような業界事情が記されている。

CX(※フジテレビ)がお昼の時間帯に韓国ドラマをかけているのは、別に韓国の陰謀でも電通の陰謀でもなんでもなくて、単純に安いから。そしてその割に視聴率をとるから
まぁ要はコンテンツ業界のユニクロ。すげー安くてそこそこ品質がいい。しかも、韓国ドラマは日本の少女マンガに源流を持つため、『日本人受けする』コンテンツが多い
高岡が言っているのが『日本人ならユニクロに行かずに着物を買え』みたいな話で、そりゃわからない主張でもないけど、企業に経済活動を超えた文化保護の側面は強制できないわけで。しかも現実的にCM枠が足りていない中で。そのまま鵜呑みにすれば『損をしろ』って言ってるに等しい

韓流ドラマの放映権が安いのは事実のようだが、それに加えて韓国ならではの権利事情も影響しているようだ。韓流ドラマの海外放映事情に詳しい人物はこう語る。

「日本はもちろん海外のドラマでも、通常は制作会社や出演者などにも権利があるため、再放送やネット配信の許諾をとるためには煩雑な手続きが必要になります。しかし、韓国では出演者や制作者に一切の権利がなく、基本的に放映権を持つ1社が全てを取りまとめているため、許諾がとりやすい。また、韓国国内で既に制作費はペイしていますから、海外での放映権は安くなっています。フジテレビだけでなく、ネットの映像配信サイトが韓流ドラマだらけなのも、コストや手続きの簡単さが主な理由です。とはいえ、さらに売り上げを増やすために第二の韓流ブームをつくろうとして“ゴリ押し”につながってしまい、韓流に興味のない視聴者をウンザリさせている面も否定できませんが・・・」

この不況下、放映権が安いにも関わらず安定した視聴率がとれる韓流ドラマは、テレビ局にとって有難いコンテンツであることは確かなようだ。収益の確保を目的とした企業判断としては理解できるが、限られた電波を国の許諾を得て使っているテレビは「公共性」という側面も持っている。ケータイやネットがテレビと並ぶメディアとして台頭している中、国民にとってテレビの存在はどのように変化していくのか。高岡の爆弾発言から発展した一連の大騒動は、テレビの存在価値が変化していく中で生まれた必然だったのかもしれない。(佐藤勇馬)

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佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

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