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Androidで突如始まった「エミュレータ狩り」の裏側

いま、Androidマーケットからエミュレータアプリが続々と消えている。4月にはセガからの訴えを受けて、Yong Zhang氏が開発したメガドライブエミュレータの「Gensoid」が削除され、5月末には、ファミコンエミュレータの「Nesoid」、スーパーファミコンエミュレータの「Snesoid」など、数々の人気エミュレータアプリとともに、Yong Zhang氏の開発者アカウントまでが通知もないまま突然削除されたという。Androidのエミュレータアプリに何が起きているのだろうか。

エミュレータとは、コンピュータ上で別のハードウェアを動かすためのプログラムのことを指す。ウィンドウズでプレイできる家庭用ゲームハードのエミュレータは10年以上も前から存在しており、ゲームのエミュレータはとくに人気が高い。有志が開発したエミュレータによって、ドラクエやFFが、入手困難なハードがなくても簡単に遊べてしまうというわけだ。Android上で動くNesoid、Snesoidは完成度も非常に高く、実機さながらに動かすことができるので、筆者もふだんから愛用しているアプリだった。
エミュレータでゲームを遊ぶには、エミュレータ本体に加えて、ソフトに該当するROMイメージファイルが必要となる。よく「エミュレータは違法だ」という意見も聞かれるが、実機の動作を再現するプログラム、すなわちエミュレータ本体に関しては違法性はないとされる。しかし、ROMイメージファイルに関しては、自分で機器を使ってプログラムを吸い出したもので遊ぶ分には問題ないが(私的複製の範囲に該当する)、ネット上で落とすことは違法となる。ROMイメージファイルは海外サイトなどで多数配布されており、簡単に見つかってしまうため、グレーな存在である印象がぬぐえないのである。

Androidではエミュレータがマーケットから落とせるというのは魅力の1つだったが、ここへ来て削除する流れとなっている原因として考えられるのが、ソニーが年内に開始するAndroid向けにプレイステーションのゲームを配信する「PlayStation Suite」だ。いわば公式エミュレータが登場しようとするのに、すでにエミュレータが存在するのではビジネスとして成立しない。 ZodTTD氏によるAndroid用プレイステーションエミュレータアプリの「PSX4Droid」も4月に削除されており、Yong Zhang氏のアプリはその煽りを受けた結果ともいえる。
「iPhoneはディズニーランド、Androidは歌舞伎町」などとも言われるほど”なんでもアリ”だったAndroidで、今回のエミュレータアプリの摘発は、まさに浄化作戦が進行中なのかもしれない。Wiiのバーチャルコンソールのように、Androidでもオフィシャルにファミコンやスーファミのゲームを楽しめる日が来るのかもしれないが、これはこれで少し寂しい話である。
なお、Yong Zhang氏のエミュレータアプリは非公式マーケットのSlidemeから、 ZodTTD氏の「PSX4Droid」は公式サイトからダウンロードすることが可能。Androidマーケットでは有料で配信されていたが、現在は無料となっている。(文・岡嶋佑介)

■画像引用元

Slide Me https://slideme.org/user/yongzh
ZodTTD http://www.zodttd.com/

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岡嶋 佑介

オラオラ系ITライター。パソコン雑誌編集を経て、現在はスマートフォン、ゲー ムなどを中心に、雑誌、Web、ムックなどで幅広く執筆活動を行う。近著に「パ ソコン雑誌編集者が明かす100の仕事術」など。Twitterアカウント:@Kagekiyo666

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