インタビュー

参加費15万円 童貞卒業のための「セックス合宿」主催者にインタビュー!!!

セックス経験のない大学生を対象に性生活の学習と体験の機会を提供するセミナー「成人合宿」が5月上旬にネット上で告知され、物議をかもしている。参加費用は約15万円となっており、申し込みは8月19日で締め切られ、8月29日から二泊三日のスケジュールで開催される予定。初体験のパートナーを自分で選ぶことはできず、抽選で決まった相手と必ずベッドを共にしなければならない。


募集定員は男女5人ずつの計10名で、応募動機を書いた800字以上の作文やエイズ検査の報告書の提出など厳しい審査がある。また、真性包茎など「性交に支障をきたす疾病や障害」のある男性は参加できない。肌を合わせた相手に情が湧き、ストーカーになってしまう者が現れる可能性もあるが、個人情報の交換は禁止され、メールアドレスや電話番号の交換などが起こらないように主催者側が携帯電話を預かるという万全の態勢となっている。

主催するのは新潟市に本部を置く「NPOホワイトハンズ」。これまでに同団体は、自力で射精できない障害者を対象にした射精介助などのサポート活動をしてきた。障害者の性という問題はタブー視されてきたが、健常者と同じように性欲を持ちながら処理に困っている障害者のためにタブーに挑み、朝日新聞などにも活動が取り上げられた。

今回の「成人合宿」は、若者を対象にした“童貞・処女卒業プログラム”といえそうだが、ネット上では「セックス教団みたいな怪しい団体なのでは?」「男はソープに行った方が早いし安い」「お金を取ってセックスをさせるのは管理売春に当たるのではないか」などという批判の声も上がっている。告知サイトを見ると、ベッドインの前に「今晩は、どうぞ宜しくお願いいたします」と互いに正座で礼をすることになっており、「性生活は、礼に始まり、礼に終わります」と書かれているなど滑稽に映る部分もある。

成人合宿を企画した「NPOホワイトハンズ」の代表・坂爪真吾さん(29)にインタビューを敢行し、様々な疑問をぶつけた。

‐今回の成人合宿は、童貞や処女のコンプレックスを解消することが目的なのでしょうか?

坂爪「成人合宿は『童貞・処女コンプレックス』を解消するためのプログラムではございません。『性生活スタートアップ・プログラム』という名称となっており、生涯にわたって異性との健康的な性生活を送るための知識と技術を学ぶための、長期的な視野に立ったプログラムです」

‐男性が緊張して勃起しない、女性側が痛がって挿入できないなどのトラブルがあった場合はどうなるのでしょうか?

坂爪「そういった経験を実際に体験して頂くことも、実習の目的です。ほとんどの場合、初体験はドラマや映画のような甘美なものではなく、『恥ずかしい』『痛い』『できれば早く忘れたい』といった、現実的、ネガティヴな体験になると思います。自転車に乗れるまで、波乱万丈のドラマがあったように、セックスも一朝一夕ではうまくできるようにはなりません。そのことを身をもって理解して頂き、それゆえにパートナー間のコミュニケーションの大切さ、思いやりの大切さを実地で学んでいただくことも重要だと考えています」

‐性生活実習が管理売春に当たり、法に抵触するのではないかという意見もありますが?

坂爪「売春防止法による『売春』の定義は、対償=金銭を受け、又は受ける約束で不特定の相手と性交することです。成人合宿の場合は、参加者が性交によって対償=金銭を受けとることはなく、またパートナーは特定の相手に限られるため、不特定の相手と性交をすることもありません。そもそも、成人合宿は健康的な性生活の知識を学ぶためのプログラムであり、不健康かつ違法な買売春行為への参画を未然に防ぐことも目的としています」

‐ネット上での批判は根強いようですが、法律面は全く問題ないと考えておられるということでしょうか?

坂爪「もし、成人合宿が『売春』に当たるのならば、それは若者の『生涯にわたって健康的な性生活を営むための知識と経験を得る権利』を侵害することになり、売春防止法第四条『この法律の適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない』に抵触します。また、現実的にはソープランドやデリヘルなどの性風俗の現場において、売春行為は当局の黙認の下、日常的に行われています。AVメーカーが、売春防止法で摘発されることもありません。つまり、売春防止法は制定(1956年)から55年たった今、完全に形骸化しています。成人合宿に不当な批判を投げかけるヒマがあったら、ソープランド、本番デリヘル、AV女優、AVメーカーの全てが『売春ではない』『自由恋愛の結果』とご都合主義的に解釈されている状況を、まず批判して頂きたいと思います」

『週刊ポスト』5月27日号(小学館)の記事によると、5月12日現在で男性からは数名の応募があるものの女性はゼロという成人合宿。あまりに斬新なセミナーであるがゆえに、その趣旨や理念を理解してもらうのは簡単にはいかないのが現状のようだ。だが、同団体の障害者への射精介助も開始当初は眉をひそめられていたが、今では意義ある社会活動として認められるようになった。坂爪さんは「成人合宿は性生活をはじめるための『ライセンス』、自動車学校的な位置づけのプログラム」とも語っているが、草食系男子や干物女という言葉が流行した昨今、成人合宿が性の問題に悩む若者を救うプログラムとして世間に認められる日が来るのも近いのかもしれない。(佐藤勇馬)

■参考リンク:成人合宿 大学生のための「性生活スタートアップ・プログラム」

Ashley Madison - Have an affair. Married Dating, Affairs, Married Women, Extramarital Affair

››佐藤 勇馬の記事一覧

佐藤 勇馬

フリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、WEBや雑誌などでネット、携帯電話、芸能、事件、サブカル、マンガ、宗教問題などに関する記事を執筆している。媒体によっては、PN「ローリングクレイドル」で執筆することも。今年1月に著書『ケータイ廃人』(データハウス)を上梓。 Twitterアカウントは @rollingcradle

おすすめサイト